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老年期からの漢方

壮年期・老年期からの漢方

壮年期・老年期からの漢方のキーワードは「腎を強く」し、「瘀血(おけつ)を取る」ことです。

ここでいう「腎」は現代医学でいう「腎臓」ではありません。漢方での 腎は人間の生命活動と生殖活動を司ります。若年期の腎は元気ですので、髪を伸ばす、筋力を増す、骨を丈夫にする、肌を滑らかにする、などの生命活動を活発にし、脳機能の活性化、視力や聴力の増進なども受け持ちます。さらに、生殖活動も活発になり、子供を産めるようになります。

しかしながら、40歳を過ぎると、さすがの腎も機能が落ちてきます。これを「腎虚(じんきょ)」といいます。腎虚になれば、髪が抜け、筋力が低下しつまずき易くなります。骨も弱くなり、肌もカサカサになります。脳機能も低下し、ボケや物忘れがひどくなります。眼は白内障になり、耳は難聴になります。生殖機能も落ちて、性欲減退し、男の場合は前立腺肥大症などになります。尿道も弱くなり、尿失禁、浮腫などがおきます。

これらの症状を一言でいえば、「老化」ということなります。漢方のありがたいところは、この腎虚つまり老化に対しても薬があるのです。それは「八味地黄丸」、略して八味丸(はちみがん)です。“40過ぎたら八味丸”という言葉があるように、老壮年期にはなくてはならない薬です。

さて、もう1つのキーワード「瘀血を取る」について見ましょう。瘀血の「瘀」は滞るという意味で、瘀血は、血液がネバネバして、サラサラ流れない、つまり高粘度血液のことを意味します。強い瘀血を放置しますと、脳血管障害(脳卒中)や狭心症、心筋梗塞を起こしやすくなります。瘀血の症状は、目のくま、顔のシミ、口唇が暗赤色、歯肉が暗赤色、舌が暗赤色、皮膚がカサカサ、手掌が紅い、痔がある、月経障害、みみず状血管(胸、首,大腿、下腿にみみずのような、細小血管が蛇行して見える)のうち幾つかがあれば、瘀血濃厚です。最終的には、瘀血圧痛点と呼ばれる、臍のまわり、両下腹部に圧痛が認められたら確定します。この瘀血に対しても強力な処方があります。「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」です。この薬は、血液粘度を下げ、末梢細小血管の循環を改善します。これも老壮年期にはなくてはならない薬です。

壮年期・老年期になると、この八味丸と桂枝茯苓丸を併用するのが大事です。この八味丸と桂枝茯苓丸の絶妙の組み合わせを「壮年期・老年期からの漢方」とよび老壮年期の人たちに長期服用してもらっています。